久里浜医療センター

WHO (世界保健機関) アルコール関連問題研究・研修協力センター

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ギャンブル依存症


併存疾患について

ある病気が他の病気と一緒にみられる場合に併存疾患と言います。ギャンブル依存には精神疾患の合併が多く、特にニコチン依存を含む物質使用障害、アルコール乱用や依存症といったアルコールの問題、うつ病などの気分障害、パニック障害などの不安障害が多いとされています。合併する頻度は調査によっても異なりますが、11件の調査をまとめて解析した論文によりますとニコチン依存が60%、アルコールや薬物の問題が58%、躁うつ病を含む気分障害が48%、不安障害が37%などとなっています1)。
一方、アルコールや薬物に問題のある人にもギャンブル依存が多いとされていて、31件の論文をまとめて解析した調査によるとギャンブルに何らかの問題がある人の割合は23%、ギャンブル依存と考えられる人の割合は14%と報告されています2)。また、アルコールや薬物の問題のないギャンブル依存の人はアルコールや薬物に問題を抱えたギャンブル依存の人より治療成績が良いなど、ギャンブルの問題とアルコールや薬物の問題が相互に影響し合っていることが指摘されています。 ギャンブルの問題がある人とない人を対象に精神疾患について調査した研究によりますと、ギャンブル依存が発症した時期と合併疾患の発症した時期を比較するとギャンブル依存の4人中3人はギャンブル以外の精神科の病気が先にあり、その後にギャンブルの問題が発生したとされていますが4)、約3万3千人を3年間追跡した調査によりますとアルコール依存、気分障害、不安障害、心的外傷後ストレス障害(PTSD)といった精神科の病気が起こりやすくなることが報告されており5)、アルコールや薬物依存、うつ病といった精神科の病気がギャンブル依存の原因になったり、逆にギャンブル依存がうつ病やアルコールの問題の原因になったりといった形で相互に影響していると考えられます。
このような併存症の問題はギャンブル依存における希死念慮や自殺といった重大な問題と関連することが指摘されていますので、ギャンブルの問題を抱えた人にこれらの精神科の病気が見られないか注意する必要があり、併存症のみられる場合には適切な治療が必要です。

参考文献
1. Lorains FK, et al., Prevalence of comorbid disorders in problem and pathological gambling: systematic review and meta-analysis of population surveys. Addiction, 106:490-498, 2016.
2. Cowlishaw S, et al., Pathological and problem gambling in substance use treatment: a systematic review and meta-analysis. J Subst Abuse Treat, 46:98-105, 2014.
3. Hodgins DC, et al., The influence of substance dependence and mood disorders on outcome from pathological gambling: five-year follow-up. J Gambl Stud, 26:117-127, 2010.
4. Kessler RC, et al., DSM-IV pathological gambling in the National Comorbidity Survey Replication. Psychol Med, 38:1351-1360, 2008.
5. Chou K-L and Afifi TO, Disordered (pathologic or problem) gambling and axis I psychiatric disorders: Results from the National Epidemiologic survey on alcohol and related conditions. Am J Epidemiol, 173:1289-1297, 2011.



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